「あ”〜・・・つ”かれたぁ・・・・」

広大な宇宙に紅い機体が3機・・・・・ウルフェンだ。
その中の1機にいるパンサーがしんどそうにうなった。

「サルガッソーまでもう少しだ。・・辛抱しろ。」

ウルフがつぶやくようになだめる。

「んな事言ってもさ、リーダー。ただの物資調達の為になんでオレ達が行かなきゃなんないのさ?
 オレはもっと華麗な仕事の方が似合うってーのに・・」

「サルのあいつらにできる仕事ならとうにやらせてる。
 ある程度のヤツじゃなきゃ質の見分けがつけねぇんだ」

「確かにグレネードとか多種で少し目利きに戸惑ったけどさ、何もあんな遠くまで・・・」

「ここいら周辺のじゃ質や値段が悪いんだ。効率の良い調達をする為には仕方ねぇ」

「んー・・・でもさ・・・」

「・・・パンサー、私は今猛烈に買ったばかりのナイフをお前に試したいのだが?」

レオンが鋭い目でパンサーを睨んだ。

「う・・・わ、悪かった!悪かったって!・・・ん?」

「どうした。まだ何か文句が・・・」

「いやいや。リーダー、こんな所に要塞なんてあったか?」

「あれは・・最近現れたグランディオと言う奴のだな。」

「私にすれば小物にすぎない。いちいちそんな物に反応するな。」

「いや、あの大広間の真ん中・・・クリスタルちゃんじゃないかな?」

「・・・・・・?」



第 3 話 「 緊 張 」

早いテンポで黄土のバンダナを巻いた猫の男がタイガーに近づいた。子分だろう。 「親分、数体の探知反応がありました。」 「早いな。さすがといった『能力』か・・・。警戒態勢に入っておけ」 「はっ!」 そしてまた素早くどこかに消えてしまった。 「さて・・・」 「・・・・・・・・・・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・静寂が、続く。 もがくのは、もうやめた。無駄に体力の消耗となる。 途方もなく広いこの大広間に1人、自分がいる。目の前にはガラス越しに宇宙が広がっている。 なんとかしなくてはいけない。しかし、どうすればいいのか・・・ クリスタルは目を閉じて、ずっと自分に問いかけては悩んでいた。 ギィィ・・・ン 「・・・!!」 機械音。自動ドアが開いた音だ。いきなり静寂を破られたので少し驚いた。 すぐさま音のした方を向く。そして・・・聞き覚えのあるドッ・・ドッ・・ という重量感ある音が聞こえた。・・・嫌いな音だ。 「・・・何の用」 「フ、嫌われたものだな。おい」 「はっ」 グランディオの近くには2人、子分がいた。 そいつらはグランディオに呼ばれるとクリスタルのロックを解除しはじめた。 ・・・ガチャン! 身体が自由になれた。長い間座っていたためか、全身がきしむように痛む。 「なんのつもり・・?」 「面白いものを見せてやろう。来い」 今、全く自由の身だ。上手くいけば逃げられる。しかし・・・ (・・・現段階じゃここの内部がわからない限り、逃げても危険ね・・) 仕方がないので黙ってタイガーの後をついていった。 クリスタルの意向がわかっているのか、 何も拘束しようとしないタイガーが逆に腹立たしかった。 「・・・クス、ガガえる・・・・!!」 「くそ・・・電波が悪いな・・どうしたペッピー!」 ガガ・・・・・・・・・・・・・よしっ!  妨害電波が解けたよ!ペッピー聞こえる〜?」 「ああ、助かったぞスリッピー。フォックス、ヤツの要塞がレーダーに現れた!」 「わかった!・・・しかしまだ見えてもいないのに妨害電波だと・・?」 「遠く離れていても敵の大体の位置がわかるんなら指定して発動できるヤツもあるんだけど・・・」 「じゃああいつらには俺達が見えているって事か!?クリスタルの力を使って・・・!」 !! おい!前見ろ前!!」 「うわわわわっ!れ レーザーだよ〜〜!!」 緑に光る太い1本のレーザーがフォックス達にめがけて飛んできた。 発見が早かった事とレーザーの速度が遅かった為、かろうじて避ける事ができた。 「・・・くっ!」 「大丈夫かペッピー!」 「なんとか避けたが・・グレートフォックスの速さではここまでがやっとだ。  これ以上進んでしまうと避けるのが難しくなるな・・」 「・・それじゃあペッピーはここで待機していてくれ。ペパー将軍と俺達の中継を頼むよ。」 「わかった!・・すまんな。」 「クソっ!こんな遠くからもう攻撃範囲か!ウゼぇったらありゃしねぇな」 「それならとどまっていられない。一気に突入するぞ!!」 「うん!みてろよ〜!!」 攻撃圏内を半分くらい突破した。ハッキリと要塞が見える。 「っく!! 的確に集中して撃ってきやがる!『見えている』のか・・・!」 「・・この的確さは機械が自動的に攻撃してるね。クリスタルの力がある分狙いが凄いよ〜・・」 「停止していたら危ない。バラバラになって戦力を分散させるんだ!!」 無数のブラスター光線がフォックス達にとびこんでくる。なんとかローリング等を駆使して 避けているが、その「本能的な」狙いの的確さから苦労をする。 「・・・・・もうすぐハッチだ!!」 「・・・・ス!!フォックス!!」 「ペッピー!?どうした!」 「衛星中継から要塞内部がわかった。全員に送信するぞ!」 「わかった!スリッピー、調べてくれるか?俺とファルコはスリッピーの援護だ!」 「・・・うわっと!!?わ、わかったけどちゃんと援護してね・・」 「ぐっ・・・攻撃がシャレになってねぇから早くしろよ!?」 「・・・・・・・・中心が広いなぁ・・・これは・・・う〜ん・・・」 スリッピーを後衛に固まっているので分散していた光線が集中する。 フォックスたちはローリングではじき返したりブラスターで相殺して対抗していた。 「スリッピー・・・!まだ・・か・・・・・・!?」 「・・うん!おまたせ!!ハッチに入ってから道が大きく3つに分かれているんだ。  左はコントロールルームだね。右は各戦闘機器の動力室。この2部屋は狭いから・・・  きっとクリスタルは真ん中に続く大広間に軟禁されていると思うよ!!」 「よし!侵入したら3手に分散するぞ!!」 「うし!あそこの開いているハッチが入り口だな!・・・・あ?」 「開いている・・?う〜ん、歓迎されているのかな、ボク達」 「受けてたとうじゃないか・・・!行くぞ!!」 フォックスが合図をしたと同時に、3人は突入した。 「!! 来たぞ!かかれーー!!!」 予想通り、数多くの子分達が待ちかまえていた。 「てめぇらザコには用はねぇんだよ!!・・うらっ!!!」 ズガアアァァァァァン!!!!! 「うあああぁぁぁーーー!!」 ファルコが密集している場所にグレネードを投げつけた。 「俺は動力室に行ってハデに暴れてくるぜ!!」 「ボクはコントロールルームに行って機能停止させてくるよ!フォックスは・・・」 「クリスタルを助ける!!」 「・・・ここは・・・?」 コントロールルーム・・・という感じはしなかった。 数々とモニターがあって、外の様子が写されていた。その下で 子分達が忙しそうに何か機械をいじっている。どうやら監視したりする所みたいだ。 「見ろ」 「・・・?惑星?」 目の前の大きなモニターには1つ、知らない惑星があった。 「これは・・・どういう星なの?」 「さあな」 「さあなって・・・きゃっ!」 ドン!と背中を押された。目の前にはキーボード見たいな機械。 丁度自分の手前にある赤いスイッチがやけに印象的だった。 「これを押せばこの惑星に向けている特大エネルギー砲が発射される。」 「!! 人が住んでいるかもしれないのよ!?」 「んな事知ったことではないな?これを破壊して宇宙中の  奴ら・・・特にコーネリア軍には俺達の驚異を知らしめるんだ」 「そんな事・・・私がさせない・・・!!」 「皮肉なものだが・・・そのスイッチはお前が押すんだ」 「・・するわけないじゃない・・!」 「はん、どうだか・・・そっちを見ろ」 「・・・え?・・・・・・・・・!!」 「フォックス・・・みんな・・・・!?」 モニターには助けに来た3人がそれぞれ映し出されていた。 「お前の力のおかげで早く発見をする事ができた・・」 「・・・・・っ!」 クリスタルは目を伏せてつよく拳を握った。手が震えている。 「自分の力で大切な仲間を苦しめてしまって辛いか?・・なら自分の力で助けるんだな」 「・・・・・助ける・・ですって・・・?」 スイッチを押すんだ。そうすれば追っ手から解放してやる。  押さなければ・・・・・まぁ、わかるな?」 この部屋に来るまでの間、凄い数の子分達を見てきた。押さなければきっと彼らが・・・ 惑星を破壊すると言っても、もしかしたら生物はいないのかもしれない。逆に有害なものかもしれない。 自分が苦しめてしまった仲間達。これ以上苦しめるわけにはいかない・・・・・ ・・・・・・・でも・・・・・・・・・でも・・・・・・・・

カチ・・・・・

スイッチを押す音が・・・・・響いた。 To be continued.....






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